不協和世界の深層で

Potwiが紡ぐ音の深層備忘録。

音楽ゲームの楽曲公募で最終候補に残ったお話

ご無沙汰しております。Potwiです。

本日は、「音楽ゲーム」の楽曲公募についてのお話をQ&A形式で書こうと思います。

主に作曲をされている方に向けての記事であること、および前回の記事(CD制作)同様、私の単なる備忘録でしかないので、

「へぇ~」っていう感じで読んでいただければ幸いです。

質問等ございましたらコメントでも、Twitterでもお気軽にご連絡ください。

 

ちなみに、公募に参加した時の楽曲はこちらです。

www.nicovideo.jp

 私自身、最終候補に残った旨を知ったときはびっくりしすぎて職場で心拍数が倍になってまともにお昼ご飯が食べられませんでした。採用されなかったのは悔しいですが、趣味として勉強し始めたDTMを3年続けてきて自分の音楽は客観的にみてもちゃんと曲として成立してるんだ、ということが分かってうれしかったです。

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今までに視聴、マイリス、コメント、広告してくださった方々、誠にありがとうございました。今まで不安と葛藤しながら楽曲制作をしていたのですが、これを機に少し自信をもって音楽づくりができます。これからも自分の好きを貫いて作曲します。

 

それでは、本題に入ります。

 

Q1. どうして楽曲公募に参加しようと思った?

→以下4点です。

 ①「キャラクター(とそのストーリー)のイメージに合った曲を作る」というスタイルの公募が、自分の楽曲制作スタイル(曲を作る前に物語を作る)に合っていたため。

 ②予選通過等の掲示もあるため、自分の楽曲制作レベルが客観的に見てどのレベルなのかを知るための指標としてはベターであったため。

 ③公募のタイミングがちょうどよかったから。

 ④同じテーマに対して、たくさんの人が楽曲を「公開」という形で投稿するため、聞き比べができ、参加するだけでも勉強になるから。

 

Q2. 複数の部門がある中で、なぜリヒトシュッツェ部門を選んだ?

→まず、キャラクターのビジュアルを見て、可愛い/ゆるいキャラクター向きの音楽は得意ではないなという意識があり、その時点で数キャラは自分の候補から離脱していました。その後、キャラクターのストーリーを読んだときにスッと曲のイメージが入ってきたのがリヒトシュッツェ部門でした。このストーリーなら、起承転結をうまく自分の「好き」を詰めた音楽とリンクさせることができるのではないか、という自分の中の直感が、最終的にこのキャラクターでエントリーしようと決めたきっかけです。

 

Q3. 楽曲制作のとっかかりは?

→まず、ストーリーを読んでイメージを膨らませた後、ストーリーの中でぜひ楽曲に組み込みたい要素を抽出しました。 とくに、「戦闘」「忠誠」「意思」について深く掘り下げて楽曲に投影しました。

「戦闘」に関しては、A'メロであえてドラムセットをメタルに変更し、スネアのジャキジャキ感で、刃と刃が軋れているような表現にしました。このドラムのミックスが非常に難しかったです。

「忠誠」に関しては、高貴な感じを演出しやすいクラシックな曲調を主軸に置くことで表現することとしました。

「意思」に関しては、イントロで早速鳴るメロディフレーズを何度も用いることで、内に秘める感情がフラッシュバックする感覚を演出しようと試みました。また、ブレスのSEを突っ込むことで、より生生しいフラッシュバックを目指しました。

 

Q4. どういう順序で楽曲制作した?

→「メロディ」「ベース」「ドラム」「シンセ」「SE」の順です。基本的に私はメロディから入ります。キャラクターやイラストのコンセプトを最もわかりやすく反映できるのが「メロディ」だと思っているからです。ベースとドラムは、音域が被りやすいので、ほぼ同時進行で音域が被りすぎないようにバスドラムを選定しつつ、メロディを支えるようにベースを打ち込みました。楽曲制作時、私の頭の中では、「好き」を追求しすぎて「音楽ゲーム」という前提が何度も抜けかけていたのですが、ドラムを単調にしすぎないように配置することでそれらしさを演出したつもりです。特に、Bメロには強いこだわりがあり、メロディ、ベース、シンセいずれも一番音数が多いパートかもしれません。逆にサビは不規則なリズムよりもノリの方が大事だと考えられますので、ある程度一定のテンポ感で疾走できるようなフレ―ジングを心掛けました。それでいて、この音楽ゲームならではの手の動きに合うようなシンセの動きを導入してみたりと、ちょっとした個人的なこだわりはあるのですが、残念ながら採用には至っていないので、これ以上は触れないことにします。

 

 Q5. 何か参考にした楽曲等はある?

→制作中いろんな楽曲を聞きましたが、特にM2U様のMagnoliaや、Mili様のRightfullyをリファレンスにしていました。前者はクラシカルかつエレクトロな雰囲気を演出するため、後者は前述のメタルフレーズのミックスのときのフェーダーバランスの参考にしています。不慣れなせいか、メタルのフェーダーバランスを調整するのがめちゃくちゃ難しく、10回くらい書き出し→聞く→修正を繰り返しています。

 

 Mili - Rightfully

絶妙なドラム音とクラシカルなメロディ、和音のバランスに惹き込まれます。

www.youtube.com

 

 Q6. 何トラックくらいで制作してる?

→制作時はあまりトラック数を意識することはないのですが、楽器数は60くらいになりました。普段シンプルなファンタジー楽曲等を制作するときは音源数が多くなってもせいぜい30トラックくらいなのですが、今回のようにエレクトロ系の要素をたくさん詰め込んで、なおかつ展開が多い楽曲ですと、1音のワブルベースだけで1トラック使ったり、ということもありますので、結局トラック数としては3桁になりました。

 

Q7. どんな音源を使ってる?

→わりとここを気にしている人が多いんじゃないでしょうか。以下に書いてあるものが全てではないですが、以下に、メインで使ったものに関して掘り出してみます。

 

ストリングス…Spitfire Chamber Strings

(サイバー)ヴァイオリン…SWAM Violin

タルドラム…SampleTank3

ベース…Serum、Massive、ModoBass

SE…Studio One内蔵, QL Silk (Breath)

 

Q8. どんなプラグイン使ってる?

→こちらも気になるところですよね。私もエンジニアリングに関してはあまり知識がないため、ほかの方がMIXやマスタリングでどんなプラグインを使われているのか、気になります。

私の場合、この時は

コンプ…Waves C1 Comp

バーブWaves True Verb

EQ…pro EQ(Studio One内蔵)、Waves Q10、Maag EQ2

リミッター…Invisible Limitter G2

をベース使っておりまして、それでしっくりこないときは別のプラグインで出したい音に近づける、という感じでした。使うプラグインは日に日に変化していきますので、来年にはまた全然違うプラグインを使っているかもしれません。

 

 Q9. どんな機材を使ってる?

→この曲を作った時は、

オーディオインターフェース KOMPLETE AUDIO 6

モニタースピーカー YAMAHA MSP3

モニターヘッドホン AKG K240mk2

MIDIキーボード MiDiPlus x61

を使用しています。このMIDIキーボード、コンパクトだし無駄な機能削ぎ落しててシンプルなので、慣れればとても使いやすいです。MIXはほぼヘッドホンで行っており、最終確認でスピーカーを使用しています(家で大きな音が出せないため…)。

 

 Q10. その他頑張ったところ等は?

→誰かのマネで終わらせてしまうことほど、楽曲制作において勿体ないことはないと思いますので、どんな楽曲でも「自分らしさ」を盛り込むことを忘れないように心がけています。私の得意分野はクラシカルなフレーズと、違和感なく曲調をシフトすること、また、一度使ったフレーズを別の場所で登場させて意味を持たせることにあると個人的に思っていますので、それらを前面に押し出せるように、何回も楽曲を書き直しては聞き、を繰り返しました。

 ほかの作曲家の方からすると、私の音楽にはまだまだ未熟に感じる要素が多くあるとは思いますが、自分の中ではその時のベストを尽くせていれば、それでいいと考えています。何かに振り回されず、自分の思うように楽曲が制作できるよう、今後も努めてまいります。

 

長文となりましたが、これで備忘録の方を締めさせていただきます。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

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