不協和世界の深層で

Potwiが紡ぐ音の深層備忘録。

ファンタジー音源配布サイトを制作したお話

ご無沙汰しております。Potwiです。

 

2020年8月23日に、

イラスト、ゲーム、動画配信やTRPG等のBGMとしてご使用いただける

ファンタジーライセンスフリー音源配布サイト

不協和世界の音楽博物館

をOPENさせていただきました。

 

今回はこのサイト制作の裏話的な部分を記事にまとめました。

 

 

 

個性的かつユーザーに楽しんでもらえるサイトにするために…

このサイトの大きな特徴は

「音源配布サイトのくせに機能的ではない」

という、配布サイトにとってアンチシナジーな仕様です。

 

なぜこういう仕様にしたか、といいますと

①『不協和世界』という世界をユーザーさんに堪能いただくため、世界観を最重視したため

②私自身、イラストや動画に刺激を受けて音楽を制作する機会が多かったことから、自分も誰かの創作に対して刺激を与えることができるような(音楽にとどまらない)創作物を作りたかったため

③機能的なサイトを作る技術がそもそもなかったため

の3点が主な理由です。

 

また、ファンタジー系音楽というジャンルは、音楽を客観的に見つめるとかなりニッチであり、それゆえにユーザーが求めるBGMの曲調もかなり限定的なものになってしまいます。

 

ここで私は考えました。仮にファンタジーBGMの配布サイトを機能面に特化した場合、欲しい曲調を探し求めるユーザーにとっては好都合ではあるが、そのユーザーはニーズに合致する曲を発見したら、DLしてサイトとはサヨウナラになってしまう、と。

 

もちろん、そういうユーザー層のみをターゲットとするならば、機能面特化でいいのかもしれません。しかし私は、上記②を理由に、どちらかと言うと「まだ狙いの曲調がしっかり定まっているわけじゃないけど、とりあえず探してみよう、あわよくばインスピレーションをもらおう」くらいのユーザーにも使ってもらいたい、と考えていました。

 

そしてその考えがエスカレートした結果生まれたのが、「楽曲にすでにストーリーが存在する」という配布サイトにとってアンチシナジーな要素です。もちろん、ユーザーにストーリーを押し付ける、というわけではなく、あくまでユーザーの想像力・創造力をサポートする役割を意図しての制作です。

 

人の感性は十人十色、私の考えた音楽とストーリーに対して全く同じ想像をする人なんて一人もいないでしょう。ですが、「へぇ、そういう解釈もあるのね。」という感情を抱かせることさえできれば、すでにその人の想像力・創造力を持ち上げることに成功しています。なぜなら、「そういう解釈もある」は「私はこう想像した」という既成事実の裏返しであり、この時点でユーザーは自身の想像力を使って音楽を楽しもうとしているからです。

 

サイト内のいろいろな音源を聞くうちに、勝手にユーザーの想像力・創造力が膨らんでいく、そんな姿を理想形として頭の片隅に描きつつ、このサイトを立ち上げました。

 

音源配布サイト制作の実際

音楽作りもそうですが、創作には正解/不正解がなく、しかも終点もありません。

 

まして、音楽作りが趣味の平凡なサラリーマンが、音楽以外の制作にも手を付け始めるとなると、とにかく時間がない。本当に時間がない。できれば仕事終わったらご飯と風呂以外は寝ていたい…。

 

ダラダラ制作をし続けるといつ公開ができるやら、という事態になりかねないと思った私は、以前CD制作の備忘録の記事を書いた時と同様、サイト制作を自分に課せられた仕事と考えることとしました。

 

①サイト制作に必要な構成要素と妥協ラインを洗い出す

・音源が必要

→最低20曲あればサイトとして様になると思ったので、1週間(土日)で1曲制作として約半年の準備期間

利用規約が必要

→どうやらテンプレもありそう、言葉の選定作業はじっくりやりたいので制作期間は1か月とする

・イラストが必要

→「不協和世界」アルバムのイラストを使用するので今回は制作期間に含めず

・デザイン性が必要

→デザインの本を買って読む、それなりに体裁そろえるくらいならざっくり2週間でいけそうと考える

サイトマップが必要

→既存サイトを参考にして構成を練る、よし1週間

 

2019年12月末、これらのあらかた製作期間の見積もりをした結果、サイトの公開を「2020年8月」とすることにしました。

※実際のところ、仕事が忙しかったのもあって、めちゃめちゃタイトスケジュールで睡眠時間が3時間程度の日々が続きました。2020年9月でもよかったかも…、、、。

 

その他、サイトを利用してくれるユーザーが少しでも増えてくれないと、せっかくサイトを制作した意味が薄れてしまうため、告知に特化しました。

 

②1曲ずつ音楽を公開する

自分がサイトを作っていることを知ってもらうため、Twitterに制作した楽曲をちょくちょく投稿し、今後フリーサイトで公開する旨を宣言しました。「2020年8月」ということも宣言しました。言ってしまうことで、尻に火がついて後に引けなくなりましたが、こうでもしないと本当に制作が滞るってわかっていたので・・・。

 

③曲がたまってきたら、世界観をアピールするXFDを作って告知する

このサイトはファンタジー感を前面に押し出すために、全楽曲を「街」「フィールド」「ボス戦」というカテゴリーに分けることとしました。そして、各カテゴリーごとのXFD動画を投稿し、よりサイトに掲載する音楽の世界観を具体的なものとして未来のユーザーさんにアピールしました。

 

④サイト制作の進捗画像を掲載して告知する

音源だけの進捗掲載だと、「サイトを制作している」ということが全く伝わらないので、一応製作途中段階のサイトのスクショを適当なタイミングで公開していきました。

 

そして、告知の甲斐もありまして、実際にサイトを公開した際に「待ってました!」というお声を多数いただくことができ、とても嬉しかったです。本当にありがとうございました。お待たせしました。

 

また、公開後、たくさんの方にTwitterでサイトのツイートを拡散いただいたおかげで、サイト開設から数日で1万アクセスをいただくことができました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

これからは、サイトの運営にコストと労力が割かれることになると思いますが、仕事と家庭を優先しつつ、空き時間にちょこちょこ改善や新曲の投稿ができればいいな、と思っておりますので、今後もなにとぞ応援いただけますと幸いです。

 

とりとめもないお話になってしまいましたが、これにてこの記事を締めさせていただきます。読んでくださってありがとうございました。

 

是非世界観を堪能してくださいませ!そしてどうかこのサイトを広めてください!!

www.discoseum.com